百日後に日舞の名取試験を受ける某

日本舞踊のお稽古に励む中年がお名取試験を受けるまでの記録

着物を着て踊ることの難しさ

着物で踊るのに、なかなか慣れません。

えっ、日舞って、着物を着て踊るんでしょ?と、お思いですよね。

はい、合っています。

ただ、日々のお稽古で常に、長襦袢を着て、お着物を着て、帯をお太鼓に締めるかというと…お師匠様の主義によるかと思います。本来は着物を着るべきだけど、浴衣でもよしとする、という方針のお教室が多いのではないかしら。

かく言う我がお稽古場も、その一つ。私も、基本的には浴衣に半幅帯でお稽古をさせていただいています。着物は持っていますが、汗っかきな上、運動量の多い演目を稽古していただく事が多く、滝のような汗が流れるので、とても恐ろしくて、なかなか着物は着られません。

が、先日のお浚い会では、踊り初め(※年初めの踊りの会の意)を兼ねていたこともあり、また、季節柄、浴衣なんて着られようはずもないので、手持ちのお着物(しかも色留袖!涙)で参加しました。

普段は浴衣でお稽古している私ですが、ぶっつけ本番でお着物で踊るのはさすがにまずいと思い、直前には正絹の小紋で踊ってみました。ら、着付けが短かすぎてちんちくりんになったり、長めに着付けると、今度は裾を踏んでしまったり、腕を上げた時、肘がガバッと出てしまったり。浴衣なら綿素材で摩擦が大きいので(しかも汗で腕がベタついているので)摩擦係数が大きく、袖が腕に引っかかってくれるのですが、正絹は重みがあるし、柔らか物(※)の着物はとろんと滑るので、ガッツリ出てしまいました。

※柔らか物…着物のうち、縮緬や綸子(りんず)など、柔らかい素材のものを指す。紬や木綿などの織り物に対して言う。一色の色無地の他、染め柄の入り方によって小紋、付け下げ、訪問着、留袖などに分かれる。

f:id:toramatsutmk:20230126082918j:image

これは当日の写真ですが、やはり出ていますね、肘。二の腕は死守しましたが。修業が足りません。

お浚い会の演目とそれに向けた稽古の様子は下記エントリをご覧ください。

toramatsu.hatenablog.com

名取試験では、色無地、つまり、先日と同様に柔らかい着物を着て、二重太鼓の帯を締める必要があります。ポリエステルの色無地(踊り用に作った)ではダメですか?と師匠に伺ったら、苦笑されたので、ダメなようです。色無地なので、留袖よりはマシですが、正絹の着物は、ザブザブ洗えず、業者にお金を払って汗取りしてもらわないといけないので、少し気を遣います。(お金がかかることよりも、手入れのリードタイムを要したり、信頼できる業者を見つけるのが難しい、という煩わしさがあるのです。)

先日、一緒に試験を受ける方とお稽古の時間が重なった時、彼女はお着物にお太鼓を締めていました(え、偉い〜!!)。それを見て師匠が、2人共、試験までは極力着物を着てお稽古しましょう、と仰ったので、私も今後は極力、試験当日を意識して柔らか物の着物を着ねばなりません。

だがしかし、ちょうどいい着物をあまり持ち合わせていない。何故ならば、第一に、太り過ぎたのが大きな要因。手持ちの着物は身幅が足りないから、寸法直しをしてもらっているところなのです。そして第二の要因、そもそも柔らかい着物は好みじゃなく、礼装着物くらいしか持っていないということ。肉肉しい身体の線を拾ってほしくないのと、渋めの色が好きなので、紬や綿の、硬めの生地が多いのです。でもそれだと、生地感が浴衣と大差ないので、着てお稽古したところで、当日踊る練習にならないばかりか、汗対策の対象が増えてしまうだけで、あまり嬉しくない。悩ましいところです。

ということで、稽古着用の柔らか物(私サイズの、身幅が特大なもの)を入手するべく、よくお買い物している中古着物のサイトを徘徊中です。

 

名取試験まで、あと94日。

「松の緑」の鬼門

名取試験の課題曲、長唄「松の緑」を踊る上で、自分がミスしがちなところ、自信が無いところを、列挙してみました。

課題曲「松の緑」についてはこちらのエントリをご覧ください。

toramatsu.hatenablog.com

注意点

  • 前奏待機中のお辞儀の姿勢、背中丸くならない。正座で足の痺れ切らさない
  • 前奏が長くて、お辞儀ポーズから起き上がるタイミングがわからなくなりがち
  • すり足での歩き方注意
  • お扇子で水平を切ってからの三ツ首のタイミング遅れがち
  • 右斜に四歩歩く時の出だし
  • 太夫の風」のところ、振付忘れがち
  • しゃがむところで体幹ぐらつかない
  • お扇子を左手で摘む振りで親骨をもつこと
  • 「松の位の」裏向いた時の姿勢(出っ尻にならない)
  • 「外八文字」右手要返しから上前の褄を取る仕草をさらりとこなす
  • 太夫の歩き方の後、腰を後ろに引いてキープ。体幹
  • 「蹴出し褄」のお扇子を持ち替えて指に引っ掛けてくるりと回すところスムーズに
  • 「籬(まがき)にもるる」お扇子を指に引っ掛けるところスムーズに
  • 「筒井筒」左手でお扇子投げて右手キャッチ、スムーズに
  • 「振り分け髪もいつしかに」音に遅れがち
  • 「開き初めたる」速すぎず間に合うように

多いな…

完全にこれですやん。

f:id:toramatsutmk:20230125184707j:image

バレエの国際コンクール決戦に向かう飛行機の中で、自身が踊るヴァリエーションの注意点をひたすら読み返してる翔子ちゃん。

引用元: 「絢爛たるグランドセーヌ」第11巻 p.125, cuvie, 秋田書店 チャンピオンREDコミックス


振付に気を取られてるうちは、踊りにならず、ただ「音につられて動く人」になってしまうので、もっと馴染ませなければ。

お浚い会の追い込み稽古の時のように、動画を撮って見返したら、モヤモヤがクリアになるかも?

私が持ってるCD。元々はカップリング曲の「越後獅子」目的で購入したものでした。こちらの曲の紹介はまた後日。

 

名取試験まで、あと95日。

 

(追記)後日のエントリで、同曲のご指導をメモしたもの

toramatsu.hatenablog.com

 

toramatsu.hatenablog.com

 

お扇子の持ち方がおかしい

と、お師匠に指摘されました。

え、今さら…

お名取試験を受けると言ってる人が、そんな序の口、基本のキみたいなところで…

と、お思いでしょうが、はい。全く同感、返す言葉もございません。

これまでのお稽古で、お扇子を使う踊りをしなかったのかというと、全然そんなことはなかったのですが。むしろ、初めてのお浚い会にかけた曲は、お扇子しか使わなかったのですが。お師匠からすると、それ以外の指摘ポイントがありすぎて、ようやく今ご指摘されるに至ったのかもしれません。

f:id:toramatsutmk:20230124165707j:image

これは自分で描いたお扇子。両面に描き損じがある。

 

ご指摘を受けたのは、お浚い会の前日。下浚い(リハーサル)後の後片付けの時です。

「随分、間の取り方がよくなったよ。だけど、時々お扇子の持ち方が気になるな」

とのことで、実演して見せてくださったところ、確かに、私のお扇子の持ち方とは違っていました。

何をするにしても、時々、こういうことってありませんか。自分としては堂々と、これでやってますが?みたいな素振りで大きな顔をしていたけど、ひとたび気付くと、まるで違うことが明らかで、なぜ今までこれで大丈夫だと思っていたのかを不思議に思い、顔から火が出、穴を掘って入りたくなる…みたいな。

時折、間違った持ち方でも、どうにかお箸を使って食べてる方がいらっしゃいますが、私もそういう感じだったのかな、と思います。

まず違いを自覚しないと、是正のしようも無いので、気付けただけ、成長だと思うことにします。

 

そもそもお扇子の持ち方に意識が及んだのは、昨年末の、師匠の公演でした。師匠と、ゲストの先生方に加え、門下の先輩方の演目も2曲ほどありました。

本番で、先輩方の群舞を客席から眺めていたら、ある先輩のお扇子とそれを動かす手の動きが、くっきりと浮き上がって見えたのでした。

えっ…何あれ…素敵!!

いつもどこからか飴ちゃんを出してくれて、爆笑エピソードに事欠かず、下卑た話にはノリノリで乗ってくれる、あの先輩が…

何と儚げで、たおやかなお扇子捌きなのか…!!

帰り道、あのお扇子の動きは何ですか、感動しましたと詰め寄ったら、それにまつわるエピソードを話してくださいました。

まず、お扇子が綺麗に見える動きを描いて、手はあくまでお扇子に沿わせる、ということ。

今は亡きご宗家が生前話されていたことー舞踊家になられて流派を確立し、随分歳月が経たれた当時ですら、絶え間なく手の動きを研究されていて、日々の生活の合間、お風呂の浴槽に浸かりながらでも、美しく見せられる角度、動かし方を試してみていると仰っていたこと。

ご宗家も、先輩も、花びらがはらはら舞う様子を思い描いてお扇子を動かしていらっしゃったということ。

私が教わっているお師匠は当代の家元で、彼のお扇子捌きには華があると常々思っていたのですが、ご宗家の愛弟子だった先輩のお扇子捌きは、侘び寂びを伴った美しさとでも言いましょうか。そして、それを見た私は、稲妻が走ったような衝撃を受けたのでした。

 

話を私のお扇子の持ち方に戻します。

本番前夜に致命的なご指摘を受け、改善せねば…という意識はあったものの、怒涛の荷物運び、会場設営、裏方作業などに追われ、自分の支度もお客様が入ってからで、あっという間に出番になり、舞台に立ちました。

これまでのお稽古の中でいただいた、数多のご指摘。師匠には明示はされなかったが、自分で動画を見て気付いた改善点。前日の下浚いでは、レンタルした本式の小道具を使ってこそ実感できたご指摘も受けました。それらを思い返しつつ、猿廻し(・小猿)としての演技もし、…そうだ、笑顔!私は口角が下がって憮然として見えるからなぁ…はっ!体幹!!という感じで、忙しく考えながら踊っていたら、あっという間に18分弱の一曲を踊り終えました。

気が付いたら、お扇子の持ち方については、改善するどころか、すっかり頭から抜け落ちてしまっていたのでした。まだまだ修業が足りません。

 

名取試験まで、あと96日。

音源とイメトレ

(今回の投稿は書いてる途中で寝落ちして朝投稿しているので、少し時間がずれています。)

今日は爆弾低気圧がひどく、日中からずっと眠かった。アプリで見るとこんな状態。

f:id:toramatsutmk:20230124000308j:image

なので、お稽古はせず、音をかけながら、振りを脳内でおさらいしています。目を閉じれば、15年前に、お稽古友達がお名取試験に向けて稽古をつけていただいていたのを見学していた時の映像が瞼に浮かびます。その方は今や、うちの流派のお名取さん方のトップグループです。遠い存在になってしまった…かと思いきや、全然そんなことはなく、会えば和気藹々とお話ししています。うちの流派は師匠を始め、皆さんフレンドリーで温かい方々なので、救われます。

そういえば、日舞のお稽古の音源って、皆さんはどうされているのかしら。うちの師匠は、昔はほぼ全てカセットテープだったけど、最近はCDやスマホから再生されています。先日のお浚い会では、業者さんに発注したりもされていました。

私は、生活のあらゆる操作をスマホで完結させたいタチ。流行曲やポップスなら、サブスクサービスで音源が見つかる(K-POPなんてインスタにもあるから、著作権を気にすることなく踊ってみた動画を投稿できる)けど、古典芸能の音楽なんて、ほぼ無い。データベースが豊富なバレエ組曲ですら、観賞用が多く、踊れるスピードのものは中々見つからない。そこで、CD音源をスマホアプリに取り込めるCD/DVDドライブを買いました。

これが、結構便利なのです。予めスマホにアプリをインストールしておいて、CDドライブとスマホを同じWi-fiに接続すれば、取り込んでくれる。古典邦楽は無理ですが、ポップスなんかだと、アルバムジャケットや歌詞も取り込まれます。

これを買うまでは、CDは自宅でのみ再生し、出先ではYouTubeの音源を聴いていたので、曲の速さがお稽古している曲と全然違うし、スマホの画面操作も不便でした(画面ロックできない)。曲の速さが違うということは、踊りの間が合わない。お稽古場までの移動中にYouTubeで音を聴いて、いざお稽古場で音をかけていただいたら、あれっ、さっき聴いてた音源だと、この音の次はこのテンポでくるんだけど…ということが頻発し、音と動きが全然合わず、踊りにならなかった。しかし、CDで聴くようにしてからは、踊り用の演奏なので、間が合うようになりました。

…が、お師匠様の音源が自分の手持ちのCDと合っているとも限りません。今回のお浚い会では、ようやくCDをスマホに取り込んだので、これで自主練して踊り込んだんですよ、バッチリです、などと話していた頃合いに、業者さんに作っていただいたという音をいただきました。ヒィッ。し…CDの音源で…と食いついてはみたものの、いやせっかく作ってもらったんだから!と、そちらの音源を使うことになったのが、本番の2、3日前。お師匠にとっては、地方さん(三味線と唄、お囃子)の生演奏を含めたいろんな音源で合わせるなんて朝飯前なのでしょうけれども、私には、ちょっと時間が足りなかった。案の定、本番でも、少し思ってたのと間が合わないな⁉︎という瞬間がありました。まだまだ修業が足りません。

 

名取試験まで、あと97日。

お浚(さら)い会の収穫

実はつい2週間前に、お浚(さら)い会を終えたところでした。

お浚い会とは、勉強成果の発表会です。和のお稽古事ではこのような言い方をよく聞きます。

小ぢんまりとした空間ながら、天井は高く、照明は本格的で、床も、歌舞伎や日舞で使う所作台のような材質の、素敵な会場。十ヶ月前、お稽古を再開したばかりの頃にも、同じ会場でお浚い会をされていたのを観に来たものです。

私は、お稽古を再開したのは13年振り、お浚い会に出たのも、14、5年振りでした。具体の数値で見ると、恐ろしいほどのブランク。しかも、体重は当時に比べ15kgも増えている。膝への負担は、1kg増えるごとに3kg分だそうだから、およそ45kgほど、膝を襲う負担が増えている計算。恐ろしい…!

演目は長唄「外記猿(げきざる)」という、猿廻しを主題とした曲でした。立ったり座ったり、ピョンピョン跳ねたり、片足で回ったりするので、息が上がって曲の途中でバテたり、お稽古していたら足底筋膜炎を発症してしまって、整骨院に通う羽目になった等のハプニングもありましたが、何とか無事、楽しんで終えられました。この演目については、図書館で本を借りてリサーチしたりもしたので、また別の機会にまとめたいです。

 

(追記)こちらの記事にまとめました

toramatsu.hatenablog.com

 

そのお浚い会の収穫は、色々とありますが、自分で追い上げ練習をしたことの効果を実感できたことは大きかったです。追い上げ練習とは即ち、自分の踊りを動画に撮って見返し、PDCAを回すということ。お正月休み明けのお浚い会に向け、年末年始の休暇を利用して、5回ほど、踊っているところを動画に撮って見返しました。最初は目を覆いたくなる出来栄えでしたが、目を背けずに一つ一つ改善したことによって、最終的には、まぁそこそこ普通に見られるレベルには近づいたのかな、と思っています。反省点は多々あれど、少なくとも現時点の私ができ得る範囲では、よい出来栄えだったかと。

ちなみにこの、自主稽古の動画撮影については、賛否あると言いますか、うちの流派でも、大っぴらには認められていません。昔は完全にNGでしたが、時代は流れ、今では敢えて禁止もされない状況のようです(藪蛇なので、わざわざお伺いはしません)。個人的な思いとしては、テクノロジーは日々進化し、文明の利器も新しいものが次々出てきている中、多忙な中で稽古時間を捻出して効率よくトレーニングせねばならない、となると、使えるものはどんどん使っていかれればいい、と思っています。

あと、改めて実感したのが、私は踊るのが、それも人前で踊るのが、結構好きだということ。子供の頃から、ダンスの発表会や文化祭で、ステージの上で踊るのは好きでした。大人になって、日舞から離れている間も、洋舞を齧ってみたこともあります。仕事の都合や体調などあり、長続きはしませんでしたが、それらのお稽古もどれも、楽しいものでした。

舞踊は、古今東西どこにでもありますものね。衣食住性に次ぐ文化として、祭礼のため、音楽と舞踊は欠かせなかったのでしょう。古来より、私のように、踊るのが大好きな阿呆がどこにでもいたのだろうと思うと、何やらおかしみを感じます。

お名取になった暁には、ちょこちょこ踊る機会を増やしていきたいなと目論んでいます。

 

名取試験まで、あと98日。

【演目紹介】「松の緑」(名取試験の課題曲)

私の所属する流派のお名取試験の試験曲は、長唄「松の緑」です。

 

「松の緑」は、長唄の大家、四世杵屋六三郎が、娘・せいの名披露目を祝って作った曲で、ご祝儀曲として著名です。松の葉は何度季節が変わっても緑色であることから、栄華が続くことを象徴しており、また、歌詞には、廓の遊女になぞらえ、禿が大夫に出世するように、というくだりもあります。

手持ちの本には載っていなかったので、Webサイトで調べたところ、作成された年の元号がサイトによって違っていましたが、概ね1850年前後。時代背景は、幕末の少し前、徳川将軍は十四代家茂公の頃のようです。

日本舞踊の基本とも言われる曲で、入門後、もとい、お稽古の通い始めの最初の勉強曲として使われることもあるそうです。流派によって少しずつ振付は違えど、うちの流派で教わった振付も、難易度自体はそこまで高くなく、音の取り方もゆっくりなので、習い始めの方でも踊れるだろうなとは思います。

が、だからといって踊りが易しいかというと、また別の問題。振付が平易でも、それを踊りこなすのには、気をつけることが数多くあります。間がゆっくりな分、身体の使い方、手や足がどこをどんな速さで通るか、目線のやり方など、粗が目立ちやすいと感じます。

大好きなバレエ漫画、「絢爛たるグランドセーヌ」のワンシーンを思い出しました。

チャイコフスキーの「眠れる森の美女」第3幕の、オーロラ姫のバリエーションは、「振付は簡単だし人気だが、だからこそダンサーの技量が顕になる」演目なのだとか。

f:id:toramatsutmk:20230122233015j:image

f:id:toramatsutmk:20230122233019j:image

引用元: 「絢爛たるグランドセーヌ」第12巻 pp.173-176, cuvie, 秋田書店 チャンピオンREDコミックス


松の緑にも、共通する点を感じます。

実はこの曲は、数ヶ月前にお稽古をしていただいて、振付だけは一通り覚えていました。先に振り入れだけしていただけたら、自主練しておくこともできますので〜などと言ってはみたものの、実際に間が空いて久々にお稽古をつけていただいた今日、一部振付を忘れていたり、間違った動きになっていたり。ま、まずい…。

また、久々のお稽古は、一緒に試験を受ける方と時間帯が重なったので、それぞれのお稽古を見学し合ってカンニング…と思ったら、彼女は女形、私は立役(男踊り)だったので、微妙に振付が違いました。まぁそれも、勉強になってラッキーです。

普段は忙しいお師匠ですが、今日は偶々、私達2人の後に間が空いたので、摺り足で歩く練習などもさせて頂きました。できていると思っていたけど、全然できてなかった…。中々道のりは遠そうです。

 

名取試験まで、あと99日。

百日後に日舞のお名取試験を受けます

表題の通りのブログを始めます。

私、都内で会社員をしながら趣味で日本舞踊を嗜んでいる中年です。社会人になってから、趣味で習っていた日本舞踊。長らくご無沙汰していたのですが、昨年頃から、ご縁があって再開していました。

昔習っていた頃から、いつかは、と思っていたので、再開して数ヶ月後にお師匠に伺ってみたところ、是非頑張りましょう、と仰っていただき、試験曲のお稽古をつけていただける運びとなりました。

 

まず、名取とは何か。その説明は、こちらのサイトの記事に詳しいのでご参照ください。

日本舞踊の名取・師範ってなに?仕事や、なるための条件・費用などを解説します │ 俺の日本舞踊

「名取」「師範」はわかりやすく一言でいうと「日本舞踊のライセンス制度」です。

名取や師範を持つことで、「一定水準以上の技術や知識がある」ことが示せます。

「名取」になると、一門の名前を名乗ることができます。

「師範」はさらに、自分の弟子をとって教えることができる資格です。

一門の名前を名乗れる点では同じですが、弟子をとって教えられるかどうか、またそれに見合うだけの高い技能や知識が備わっているかどうかが、二つの違いです。

とまぁ、要は、「名取になるとは、正式に入門することを許される」ということです。

これまでに何年続けていようと、まだ弟子ではなく、あくまで「ちょっとご縁があって教えてる生徒さん」なのですね。便宜上、お師匠などと申していますが、弟子入りすらできていないのです。

日舞はお金も時間もそこそこかかるからこそ、再開の二の足を踏んでいたのですが、改めてやるからには、腰を据えて、長く続けたい。だったら、ちゃんと弟子入りさせていただこう。と思ったのでした。

これから百日間、極力毎日更新していこうと思いますので、どうぞ温かく見守っていただければと思います。

 

名取試験まで、あと100日。