百日後に日舞の名取試験を受ける某

日本舞踊のお稽古に励む中年がお名取試験を受けるまでの記録

お浚(さら)い会の収穫

実はつい2週間前に、お浚(さら)い会を終えたところでした。

お浚い会とは、勉強成果の発表会です。和のお稽古事ではこのような言い方をよく聞きます。

小ぢんまりとした空間ながら、天井は高く、照明は本格的で、床も、歌舞伎や日舞で使う所作台のような材質の、素敵な会場。十ヶ月前、お稽古を再開したばかりの頃にも、同じ会場でお浚い会をされていたのを観に来たものです。

私は、お稽古を再開したのは13年振り、お浚い会に出たのも、14、5年振りでした。具体の数値で見ると、恐ろしいほどのブランク。しかも、体重は当時に比べ15kgも増えている。膝への負担は、1kg増えるごとに3kg分だそうだから、およそ45kgほど、膝を襲う負担が増えている計算。恐ろしい…!

演目は長唄「外記猿(げきざる)」という、猿廻しを主題とした曲でした。立ったり座ったり、ピョンピョン跳ねたり、片足で回ったりするので、息が上がって曲の途中でバテたり、お稽古していたら足底筋膜炎を発症してしまって、整骨院に通う羽目になった等のハプニングもありましたが、何とか無事、楽しんで終えられました。この演目については、図書館で本を借りてリサーチしたりもしたので、また別の機会にまとめたいです。

 

(追記)こちらの記事にまとめました

toramatsu.hatenablog.com

 

そのお浚い会の収穫は、色々とありますが、自分で追い上げ練習をしたことの効果を実感できたことは大きかったです。追い上げ練習とは即ち、自分の踊りを動画に撮って見返し、PDCAを回すということ。お正月休み明けのお浚い会に向け、年末年始の休暇を利用して、5回ほど、踊っているところを動画に撮って見返しました。最初は目を覆いたくなる出来栄えでしたが、目を背けずに一つ一つ改善したことによって、最終的には、まぁそこそこ普通に見られるレベルには近づいたのかな、と思っています。反省点は多々あれど、少なくとも現時点の私ができ得る範囲では、よい出来栄えだったかと。

ちなみにこの、自主稽古の動画撮影については、賛否あると言いますか、うちの流派でも、大っぴらには認められていません。昔は完全にNGでしたが、時代は流れ、今では敢えて禁止もされない状況のようです(藪蛇なので、わざわざお伺いはしません)。個人的な思いとしては、テクノロジーは日々進化し、文明の利器も新しいものが次々出てきている中、多忙な中で稽古時間を捻出して効率よくトレーニングせねばならない、となると、使えるものはどんどん使っていかれればいい、と思っています。

あと、改めて実感したのが、私は踊るのが、それも人前で踊るのが、結構好きだということ。子供の頃から、ダンスの発表会や文化祭で、ステージの上で踊るのは好きでした。大人になって、日舞から離れている間も、洋舞を齧ってみたこともあります。仕事の都合や体調などあり、長続きはしませんでしたが、それらのお稽古もどれも、楽しいものでした。

舞踊は、古今東西どこにでもありますものね。衣食住性に次ぐ文化として、祭礼のため、音楽と舞踊は欠かせなかったのでしょう。古来より、私のように、踊るのが大好きな阿呆がどこにでもいたのだろうと思うと、何やらおかしみを感じます。

お名取になった暁には、ちょこちょこ踊る機会を増やしていきたいなと目論んでいます。

 

名取試験まで、あと98日。