百日後に日舞の名取試験を受ける某

日本舞踊のお稽古に励む中年がお名取試験を受けるまでの記録

着物を着て踊ることの難しさ

着物で踊るのに、なかなか慣れません。

えっ、日舞って、着物を着て踊るんでしょ?と、お思いですよね。

はい、合っています。

ただ、日々のお稽古で常に、長襦袢を着て、お着物を着て、帯をお太鼓に締めるかというと…お師匠様の主義によるかと思います。本来は着物を着るべきだけど、浴衣でもよしとする、という方針のお教室が多いのではないかしら。

かく言う我がお稽古場も、その一つ。私も、基本的には浴衣に半幅帯でお稽古をさせていただいています。着物は持っていますが、汗っかきな上、運動量の多い演目を稽古していただく事が多く、滝のような汗が流れるので、とても恐ろしくて、なかなか着物は着られません。

が、先日のお浚い会では、踊り初め(※年初めの踊りの会の意)を兼ねていたこともあり、また、季節柄、浴衣なんて着られようはずもないので、手持ちのお着物(しかも色留袖!涙)で参加しました。

普段は浴衣でお稽古している私ですが、ぶっつけ本番でお着物で踊るのはさすがにまずいと思い、直前には正絹の小紋で踊ってみました。ら、着付けが短かすぎてちんちくりんになったり、長めに着付けると、今度は裾を踏んでしまったり、腕を上げた時、肘がガバッと出てしまったり。浴衣なら綿素材で摩擦が大きいので(しかも汗で腕がベタついているので)摩擦係数が大きく、袖が腕に引っかかってくれるのですが、正絹は重みがあるし、柔らか物(※)の着物はとろんと滑るので、ガッツリ出てしまいました。

※柔らか物…着物のうち、縮緬や綸子(りんず)など、柔らかい素材のものを指す。紬や木綿などの織り物に対して言う。一色の色無地の他、染め柄の入り方によって小紋、付け下げ、訪問着、留袖などに分かれる。

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これは当日の写真ですが、やはり出ていますね、肘。二の腕は死守しましたが。修業が足りません。

お浚い会の演目とそれに向けた稽古の様子は下記エントリをご覧ください。

toramatsu.hatenablog.com

名取試験では、色無地、つまり、先日と同様に柔らかい着物を着て、二重太鼓の帯を締める必要があります。ポリエステルの色無地(踊り用に作った)ではダメですか?と師匠に伺ったら、苦笑されたので、ダメなようです。色無地なので、留袖よりはマシですが、正絹の着物は、ザブザブ洗えず、業者にお金を払って汗取りしてもらわないといけないので、少し気を遣います。(お金がかかることよりも、手入れのリードタイムを要したり、信頼できる業者を見つけるのが難しい、という煩わしさがあるのです。)

先日、一緒に試験を受ける方とお稽古の時間が重なった時、彼女はお着物にお太鼓を締めていました(え、偉い〜!!)。それを見て師匠が、2人共、試験までは極力着物を着てお稽古しましょう、と仰ったので、私も今後は極力、試験当日を意識して柔らか物の着物を着ねばなりません。

だがしかし、ちょうどいい着物をあまり持ち合わせていない。何故ならば、第一に、太り過ぎたのが大きな要因。手持ちの着物は身幅が足りないから、寸法直しをしてもらっているところなのです。そして第二の要因、そもそも柔らかい着物は好みじゃなく、礼装着物くらいしか持っていないということ。肉肉しい身体の線を拾ってほしくないのと、渋めの色が好きなので、紬や綿の、硬めの生地が多いのです。でもそれだと、生地感が浴衣と大差ないので、着てお稽古したところで、当日踊る練習にならないばかりか、汗対策の対象が増えてしまうだけで、あまり嬉しくない。悩ましいところです。

ということで、稽古着用の柔らか物(私サイズの、身幅が特大なもの)を入手するべく、よくお買い物している中古着物のサイトを徘徊中です。

 

名取試験まで、あと94日。